2007年10月23日火曜日

生産終了につき

長野県中野市のカメラメーカーコシナが怒濤の勢いでラインアップを拡大したvoigtlanderブランドレンズ。性能のいいのは分かっているが、出会ったときに買わないと今度いつまたお目にかかれるか分からないという中古カメラの世界になじんでいると、現行商品でいつでも買えると思うと、つい「また今度」と思ってしまってなかなか買えなかったが、かなり商品の整理がすすんで「生産終了」のものも多くなってきた。このSCレンズも、生産終了で店頭在庫限りとなったので、通販サイトをサーチして21ミリレンズを買っておくことにした。よく見えるファインダーもセットでついてくるのでお買い得感がある。
コンタックスにつけてみたら、どうも似合わない。voigtlanderとzeissがかちあっているみたいだ。そこで、ロシア製コンタックスのキエフにつけてみたところ、なかなかいい感じだ。似て非なるコンタックスどうしで、気が合うらしい。

2007年10月16日火曜日

色づく秋



8月に歩いた御岳の頂上部周遊コースを逆回りしてみた。8合目まで登ると、まさに「錦繍」の世界の始まり。三の池方面へのトラバース道に沿って行くと、さまざまな色に染まった景色を堪能できた。さすがに日も短いので北端の継子岳はカットして三の池の周囲を回るにとどめたが、飛騨頂上の小屋のあたりでは寒風が吹きすさび、昼近いのに気温は零度。霜柱や氷柱が残っている。小屋に飛び込んでカップラーメンやチャイを注文してしばし文明の恩恵に預かり生き返る。気を取り直して、眺めの良い摩利支天岳に向かう。三角点への道は稜線の南側に付いているが、なかなかruggedで野性的な道。風が当たらず、木の実(写真はクロマメノキ。ちょっとしなび気味になったのが格別の味わい。)をつまみ食いしたり、小鳥と遊びながら楽しく往復した。賽の河原から二の池畔に出るところでは、ポッと突然緑色の湖面が目に入り、思わず声がでる。荒涼とした一の池を回ってついに剣が峰に到着。6合目までノンストップで駆け下ると、さすがにちょっと膝に来たが、8月のときほどではなく、まぁまぁ無事に今日も行程終了。来年あたりは長さで知られる開田口を試してみようかな。いつもながら上天気さんには、いろいろお世話になりました。

2007年10月9日火曜日

山小屋トイレ事情いろいろ


木曽駒ヶ岳を伊那から木曽へ横断した。途中で見かけた山小屋や避難小屋で、さまざまにトイレによる汚染対策がなされているようすが興味深かった。宿泊した伊那市営西駒山荘では、吸収シート付きの袋に大・小ともに入れ、備え付けのドラム缶に入れて保管し、後でヘリで荷下ろしするという仕組み。男の小便のみは通常のアサガオでしていいことになっている。袋はひとつ100円。小屋に着くとまず使用方法の説明がある。木曽駒ヶ岳はほとんどの人がロープウェイで登るので、西駒山荘を経由して人力で登る人は少なく、利用者が少ない故に可能な方法のように思える。落ち着いた雰囲気の良い小屋だった。
一方、山頂から木曽福島へ下る途中にある7合目避難小屋では、非常に先鋭的な微生物分解システムが装備されている。この小屋は稜線上にあり水利はわるいのだが、約1km離れた水源から延々とホースで水を導き、さらに必要な電力は風力と太陽電池で供給しているそうだ。面白いのは個室に入ったところにある表示で、「合併浄化槽は内部で嫌気性菌が大まかに分解した後、好気性菌がより細かに分解処理しています。分解菌には、餌(うんち)が必要です。正常に働かせる為にも皆様に大便の利用をお願い致します。」とある。山に来て大便をするのは、環境に負担をかけて良くないことと思っていたが、このようにプラスな場合もあるのだなぁと、思わずご協力させていただいた。厳しい自然環境の中で、しかも避難小屋という管理の徹底しにくい状況で、どこまでこのような高級そうなシステムが維持できるのか。浄化槽はどの程度能率よく働くのか。たいへん楽しみだ。

2007年10月3日水曜日

熊野の岩いろいろ

 紀伊半島の南端に近づくにつれて、ゴツゴツとした岩がめだつようになる。鬼ヶ城などという怖い名前のや、花の窟なんて優しい名前のもある。写真の橋杭岩は堅い岩の地層が海に突き出し、そこだけ浸食を免れて列を作った物だ。司馬遼太郎さんは、こういった山からはみ出したような岩々のことを「地の骨」と表現しているが、まさにぴったり。もうひとつの虫喰岩は、名前のように浸食によって穴だらけになった岩だ。こうやって写真にすると、アントニオ・ガウディの建築の一部分のように見えてくる。「街道をゆく 第8巻」に出てくる古座街道の近くにある奇観だ。