2007年5月22日火曜日

時ならぬ雪


天気予報を信じるならばとてもアウトドアに出かける気にならない週末だったが、とりあえず、ということで富山に向かってひた走る。雨かと思いきや、標高が上がるにつれて白っぽくなってきて、ついに室堂では吹雪となった。温泉三昧の翌朝も、まだ降り続く雪。しかし、空は明るく雲は薄いようだ。じっくり待っていると、その甲斐あってガスが風に飛ばされていく。以前、11月に同じようなパターンがあった。そのときにいい思いをした山崎カールに上がってみることにした。見渡すかぎり、新雪に覆われて真っ白になった山々。白すぎてすぐ目の前の雪面の起伏もわからない。晴れているのにホワイトアウトだ。人はそこそこいるのだが、山に登っている人が少ない。もったいない。時ならぬ新雪で、雪崩が心配になって自重している人もいるのかもしれないが、そもそもアルペンスキーヤーなど山に登る気のない人が多いようだ。積雪チェックをしてみると、20cmほどの(!)新雪の下にアラレの顕著な弱層があったので、ほどほどのところでシールをはがし、新雪の貸し切り山崎カールの滑りを楽しんだ。今年は、標高の高いところでは意外に遅くまで快適なスキーが楽しめそうだ。

2007年5月11日金曜日

GPSあれこれ


GWに立山で取った記録がイマイチ精度がわるい。空の見晴らし、GPSの持ち方ともに問題ないはずなのに、妙に記録精度が低く、明らかに実際にたどった経路からずれた位置にトラックが記録されていることがある。そういうことが起きる時間帯があり、それ以外では非常にきれいに記録されている。ひとつ思いついたことは、最近、パナソニックのオキシライド電池を多用しているのだが、電池交換して30分ぐらいしてから数時間にわたって記録があばれているように思える。このオキシライド電池は初期電圧がほかの電池より高く、電流が流れすぎるそうなので、そのためにGPSが誤動作を起こしているのかもしれない。しばらくForetrexでは通常のアルカリ乾電池を使って様子をみよう。
買い換えるのも手かなと、最近の機種の状況をあらためてwebで眺めてみると、なんとeTrex(何にも他の名前がつかない黄色いeTrex)もトラックの記録ポイント数が10,000に増えているではないか。今までは1,500ぐらいで、ツアーだと1.5日分ぐらいしか記録できなかったので、さりげなく大きな進歩をしていることになる。最近、「そろそろGPSを買おうと思うがどれがいいか?」と聞かれることが多いが、地図内蔵でアンテナ性能の良い(けど高価な)60CSxか、シンプルな(安い)地図なし機種か、なかなかどっちもそれなりに良さがあるので、選択が難しい。ともかく携帯してトラックを記録するところから始めるとして、コンパクトなForetrexかなと思うが、eTrexも画面が見やすいという良さがあるので、まだまだ選択肢のひとつとして現役だなと思う。Gekoも良さそうだが、電池の持ちがわるいのと、写真で見ると薄そうだが、実は結構厚みがあるのでForetrexが出た現在では、やや中途半端な気がする。

2007年5月7日月曜日

剱岳・長治郎谷


天候にめぐまれたGW後半戦は、以前から行ってみたかった剱岳の長治郎谷(ちょうじろうたん)を、コルまで往復した。この谷は、明治時代に三角点設置のためにそれまで未踏と言われていた剱岳に登るのに使われたルートだ。写真の真ん中の白いくぼみがコル、その左側の二つめの白いピークが剱岳山頂だ。当日は気温が高く、滑落のおそれはないが、逆に雪が崩れないか気になった。熊の岩を過ぎたところで、念のため一度つぼ足+アイゼンにしてみたが腰までもぐって歩けず、結局最後までシール登高(+スキーアイゼン)だった。傾斜は急だが、名にし負う剱岳の頂上直下にしては意外におだやかな地形で、左右の岩尾根にアリのようにたかっているクライマーを眺めながら、気持ちよく登れた(向こうから見れば、谷底をはいずっているアリだといわれそうだが)。今年はおなじみの剱沢小屋が破損のため収容人数が少ないので予約できず、剱御前小舎を使ったが、たいへんフレンドリーで良い小屋だった。剱沢小屋の客はスキーヤーかクライマーが多いが、景色の良い稜線上にある剱御前小舎は写真を撮りに来た人や縦走をする人が多く、客層の違いが面白かった。でも、長治郎谷の帰りには余分の標高差300mがちょっとうらめしかった。翌日はタンボ平を滑ったが、東一ノ越へのトラバースラインが高いところについていて、結構な急斜面を滑ることになった。

2007年5月1日火曜日

御嶽の北端


今年のGWは、今のところいい具合に休日に良い天気が割り当てられている。御嶽に登るルートとしては、昔は王滝のおんたけスキー場から田の原を経て登るルート、今は御岳ロープウェイから登るルートが一般的だが、マイアスキー場やチャオスキー場の真上に望まれる御嶽北端の山、継子岳(ままこだけ)に登るルートが試みられている。特にマイアの上のリフトに乗ると、山頂直下のルンゼが何本か間近に見えて、堅くて急だろうなと思いながらも、いつか行ってみたいと思っていた。今回、「ハイグレード山スキー」に紹介されていた、チャオから往復というコースを参考に登ってみた。図は、チャオの上部の右側にあるルンゼをアイゼンで登っているときに撮ったものだ。ここは前述の本では尾根上を登るようになっているが、ルンゼの雪の状態がいいのでこちらにした。全体的に急斜面なのと、北面でまともに季節風を受けるので、難度は気象条件に大きく左右されるだろう。この日は、全国的に高気圧に覆われていたが、冷たくはないものの、相当強い風を背にしながら登った。雪は気持ちよくアイゼンのささる堅さ。ところどころ前日に降った数ミリ径のアラレがころころたまっている。山頂からはマイアもチャオもすぐ下に見える。マイアとチャオのちょうど中間に位置するルンゼを下った。抜群の高度感と、ミスの許されないプレッシャーを感じながらも、コンディションに助けられて気持ちよく滑ることができた。マイアがゲレンデ外に出ることを禁止しているのがネックだが、両スキー場を結ぶツアーなんてのも面白そうだ。