2008年6月23日月曜日

静岡の印象

いつも通り過ぎるばかりの静岡の街を、すこし散策してみた。まずは、静岡駅を探索の起点とすることにして、駅前の駐車場に入る。エキパという新しい地下駐車場で、驚いたことに全自動で車が格納・出庫される仕組み。タワーパーキングなどではあるが、これほど大規模なものは初めて見た。ゲートで待っていると、A−Dのどの入り口に入ればいいか指示が出て、そこに入ると後はしずしずと車がどこかへ運ばれていく。出すときは読み取り機に駐車券を入れて出庫予約すると、しばらくしてどこからか運ばれてくる(写真は、前の人の車が出てきた様子)。混雑時にどれほどスムーズにさばけるのかちょっと心配だが、なかなかスマートな仕組みだ。


駅コンコース南端の案内所でパンフ、地図などを物色し、呉服町商店街、浅間神社、県庁21階展望室をピックアップした。呉服町は昼食時ということもあって、なかなかにぎわっている。好日山荘を見かけてチェックするが、富士山と南アルプスを背負う町の店だけあって、かなり充実した品揃え。静岡銀行本店の重厚な建物が良い。中に入るとお客様用防災ヘルメットが棚にずらりと並んでいるのが印象的だった。呉服町の端あたりから、浅間神社の参道が始まる。豊川稲荷の参道を思い出させる、しぶい店が並んでいる。参道にある山田長政の記念の像に、タイ風らしいカラフルな飾り付けがしてあるのがおもしろい(写真)。どうも静岡の人は、少なくとも愛知県人よりも自転車を実用的に使っている。服装や雰囲気からしてそれなりのステータスを感じるおじさま・おばさまたちが、ささっと自転車で行き来している様子がたいへん良い。

浅間神社は、故京山幸枝若さんの浪曲の「大関御所桜仙之助」に出てくるので名前は知っていたが行くのは初めて。黒と朱を多用した大きな社殿に、日光東照宮と同様な趣向のカラフルな装飾が施され、たいへん立派だ(写真は八千戈神社)。お祭りのさかんな様子もおもしろい。お祭りの舞台の百段を登って麓山神社を通り過ぎて道は尾根上を続いていくが、きりがないので適当なところで引き返す。地図で見ると10kmあまり北の竜爪山までまっすぐに尾根が続いている。尾根の末端に古墳があり、大昔からそういう雰囲気の場所なのだと納得する。最後に行った県庁21階だが、その下は県警本部と公安委員会が入っていて、エレベーターも観光用があるわけではないので、たいへん雰囲気が固い。展望室もただがらんとしている。しかし眺めは良かった。静鉄の新静岡あたりが下町らしいので通ってみる。バスと私鉄の駅が地下の商店街で結ばれている様子がおもしろかった。「しぞーか」名物のおでんがいい匂い。

全体に、最近の大都市のように、商業化、デザイン化されすぎていない落ち着いた風情が好ましい街だと思った。まだ「大人」が文化を支えているとでもいうか。また機会を作って訪ねてみたい。