2010年6月16日水曜日

富士山吉田大沢を堪能

 先週、山中湖や河口湖から見上げた吉田大沢が、あまりにも美しい真っ白な滑り台だったのに惹かれてまた富士山を目指した。今回は初めての吉田口。富士スバルラインを使ってのアプローチだ。無料化された富士宮口と違って往復2000円が要るが、よく整備されて走りやすい。朝6時に5合目駐車場に到着してみると、Mさんほかブログ有名人ぞくぞく集結の様子。6合目を過ぎたあたりで速い人たちにはあらかた抜かれてマイペースとなる。7合目手前で登山道脇に雪が出てくると即シール登高に切り替え。板をかつぐと背中が重いし、バランスがとりにくいので苦手だ。ちょっと上に岩の崖が見えていて、そこまで登るとまた上が見えるのだろうなと思って登っていったが、全然近づかない。結局それは山頂直下の崖だった。遠近感全くなし。2,3日前の新雪に覆われた大沢をシール+スキーアイゼンでジグザグと登り切ることが出来た。
 登り着いたコルからは、先週も見た剣が峰とお釜の景色。妙になつかしい。新雪のおかげで先週よりきれいだ。双眼鏡で剣が峰方面を偵察したら、itokisyaさんらしい赤い板を背負った人あり。金明水から見下ろす火口(写真)は、ゴツゴツした岩におおわれてすごみがある。おだやかな地形をクロカン散歩気分でぶらぶらしてクールダウン。

 剣が峰方面を見上げると、大勢並んでいる。濃い面々が集結していたとのこと。さながら<ふじやまサロン>といったところか。お釜を大内院というのに対して、このあたりの浅いくぼみを小内院というのだそうだ。コルに戻ってから白山岳に登ってみる。軽やかな雲海を見下ろす気分は最高だ。雲の間にときどき下の方の山や里が見える。

 コルからのくだりは、まさに今シーズン一番と言っていい快適な滑りを堪能できた。広大な斜面。クリアな視界。滑りやすい雪質。標高差にして4-500mは、そんなスキー天国だったが、しだいに雪が重くなり、ついで雲に入って視界が悪くなりとなったが、2750mぐらいまで滑ることができた。そのあとの歩きは長く、特に最後に水平道に出てからの微妙な上り坂がエラかった。道ばたには白樺と、若葉とつぼみをつけた山桜。たどりついた五合目は、インターナショナル観光客が集まって、でもそれほど雑踏はせず、なごやかでにぎやかな様子だった。
 翌日は曇り小雨だったが、先週富士五湖観光をしたときに、スキップした白糸の滝を見物。ここも堂々たる観光地だった。観光協会の駐車場が500円なのだが、それに対抗して近所の店がディスカウントしていて、手持ちの看板で勧誘合戦をしているのがおかしい。夏の富士山も一度登ってみるかな。また、周辺の山から眺めるのも面白そう、とまた次のプランが脳裏をちらつくのだった。

2010年6月7日月曜日

富士は日本一のやま

 昨年は天候が不安定で八合目どまりだった富士山だが、今年は「むらちゃん」ことMさんの縦横無尽の登りっぷり、滑りっぷりに刺激されたこともあって、目指せ剣が峰&お釜の底と張り切ったのだが、寒気が長く居座っていて先週も五合目まで車で上がったものの低温と天候不良で登山中止。かなり気温も上がってきたようなので、あらためて富士宮口からアプローチした。六合五勺過ぎで雪が出てきたら、即、好みのシール&クトースタイルでジグザグをきざんで山頂直下まで登り詰めたが、直前でシールスリップが激しくアイゼン歩行に切り替え。その横をクライミングサポートを高く上げたTLT氏に登って行かれたのはチトくやしかった。剣が峰までアイゼンで登り、ほぼ無風の日本最高地点を楽しむ。(写真は剣が峰から見下ろした富士宮山頂方面)
 甲斐犬の太郎も剣が峰まで登ったが、急下降は苦手なためか逃亡を図ったので、探しに行った飼い主のitokisya氏を置いて、われらはイザお釜の底までも。帰りは200m近く登り返さないといけないというプレッシャーもあるが、落石がちらばり、静まりかえった無人の空間に吸い込まれるように降りていくのは、何か独特の緊張感があった。Mさんはあの岩の上で昼寝をしたのだから(よくあちこちで昼寝をする人だ)と、自分を励ましながら底の底まで降り立った。
 周囲を見渡すと、剣が峰から虎岩(富士宮山頂直下の岩塊)にかけては雪のスロープ(とても急な)だが、それ以外はほとんどゴツゴツした溶岩の断崖にとりかこまれている。崖にはあちこちに氷瀑や氷柱がかかり、ものすごさをましている。ほぼ真西の方向にある氷瀑が白く輝いて美しい(写真)。確かにここは特別な場所だ、としばし感慨にふける。とはいえ、まわりに散らばる岩や氷柱の断片は、長居をすればこういうのが落ちてくるよという警告なわけで、そそくさとアイゼンをつけて登り返した。
 スキーもアイゼンもない太郎には下りはこわいらしく、山頂直下はかなりいやがっていたが九合目ぐらいからしだいに楽そうに歩いて降りていた。(動画)スキーヤーにとっては、山頂直下の凍った斜面を過ぎてしまえば、ほどよく緩んで快適な大斜面。しばらく飛ばしては、itokisyaさんと太郎を待ちながら休憩というパターンで楽に降りることができた。八合目小屋の屋根は暖かくて特に快適だった。
 山中湖畔で一夜を明かして、富士五湖めぐりをしながら帰途についた。山中湖から見上げると吉田大沢はべっとりと白く、来週ぐらいから本格的に富士山、、というMさんのメールを思い出して、なるほどと思うのだった。
itokisyaさんのブログ動画もご覧下さい。