2010年4月27日火曜日

1年ぶりのロープウェイ

 去年は、PowderGuide誌の取材で行って、絶好の雪と空いた斜面を味わわせてもらった中央アルプス千畳敷周辺。味をしめてまた4月末の同じ時期に行ってきた。去年は撮影がメインであまり遠くには行かなかったが、今回の目標は三沢岳。上がった日は日差しもなく雪面はカチカチで、八丁坂(木曽駒方面に向かうときに最初に上がるところ)を往復しただけで終わった。スキーアイゼンが刺さる限界だった(一部限界以上)。翌朝はすっきりと晴れた。まず昨日と逆に極楽平に板をかついで(あるいは引きずって)アイゼン歩行で登る(GWの練習も兼ねて)。宝剣方面に登山道をたどり、いくつかルンゼをのぞきこむ。それほど急ではなさそう。去来する雲が影を落とす雪面が美しい。三沢岳の斜面はちょっと複雑な曲面を描いている。
 一旦谷底まで快調にパラレルで飛ばしてから、斜面をトラバースして、しだいに右手の稜線に上がり、登っていく。御岳、乗鞍が美しい。山頂のある稜線に上がったところで終了。傾斜がよく分からないので来た稜線を下り、適当なところでボウルに滑り込む。そのまま谷に入るが、このへんも起伏がよく分からない。離れて見ていて、どこまで下りでどこから登りかよく分からない。意外に深い谷が現れたり。視界がないと余計によく分からないだろう。氷河地形と浸食地形がミックスしているせいか。極楽平に戻り、きれいそうな雪面を探して滑り降りた。あちこちでデブリが出ている。どうも今年はいつまでもなまじ降雪があるので、表層の崩れが多い。要注意の年だ。(5/11 記す)

2010年4月20日火曜日

白馬days(手抜きバージョン)

 今回はみそら野のポカラの別館コテージ(左の小さな建物)に泊まっての二日間のツアーでした。詳細はitokisyaのブログとか、jotenkiのブログの初日二日目や、itokisyaの初日二日目の動画を見てください。(ポカラ本館ペンションは休業中)




 初日は栂池から白馬乗鞍に登って、10 cmぐらいの表層雪崩があちこちで落ちる中をブンブン滑ったり








 次の日は八方押出沢のいかにも滑りにくそうなバーンを滑ったりして







 最後はこんなスノーブリッジを渡って帰ってきたのでした。







 帰り道には緑あふれる大王わさび農場で休んで帰りました。このコントラストがたまらないですね。そういえば黒沢監督の「夢」にも冬山で雪女が出てくる夢と、ここでロケをした緑いっぱいの夢が混じって出てきました。。。

2010年4月6日火曜日

妙高山を大きくぐるっと

 元高谷池ヒュッテ管理人の築田さんのお仲間にまぜてもらって、前から行ってみたかった火打山から澄川源流に滑り込むツアーをした。途中、登り返して容雅山登頂もセットになったお得なプランだ。笹ヶ峰への道の除雪終了点(スキー場の真ん中ぐらい)から歩き出して、笹ヶ峰、黒沢とたどるが皆さんのハイペースがつらい。黒沢岳直下は雪まじりの強い西風が吹き付けるカリカリの斜面をひたすら駆け抜けるようにトラバース。傾斜がゆるむとほどなくなつかしい高谷池ヒュッテが見える。めでたく一番乗りで、奥にテーブルを据えて陣地を確保し、飲み会の始まり。ザックからドンドン出てくるビールをお裾分けしてもらって、楽しいヨタ話。皆さん、飲み会とメシに情熱を傾けておられて、つまみというか料理というかグルグル目が回るほど回ってくるので、これもありがたくいただく。ごちそうさまでした。
 結局3パーティーで小屋がほどよくいっぱいになった。夕方には風もおさまり、長い静かな夜を過ごした後は期待通りの無風晴天。火打山が朝日に赤く染まる。火打山周辺はかなり堅くなっていることが予想されるので、出発は9時。軒下に設置されたwebカメラが毎時正時に自動撮影なので、集合写真を撮ってからの出発だ。稜線に近づくと予想通りカチカチ。スキーアイゼンで2340mぐらいまで行くが、この上は滑るのもたいへんそうなので頂上はパスして澄川源頭に滑り込む(写真)。パック気味のパウダーにところどころまだらにアイスバーンが混じる、なかなかやっかいなコンディション。しかしここはまだ良い方だった。1900mぐらいからデブリ帯がはじまる。ガチガチのデブリの山が谷の真ん中を占めているので、端の方をなんとか拾ってすべるが、重いパウダーの中に、氷山の一角のようにデブリの塊が少しだけ顔を出している。小さいから蹴散らそうとしても根もとはデカイのでびくともせず、こっちがころぶ。たいへんやっかいだ。
 1650mぐらいでなんとかデブリ帯が終わり、滑りやすい雪になった谷底を辿っていくと前方に容雅山が見える(写真)。澄川は全般に、ゲジゲジだらけの地形図から想像するよりずっと穏やかな雰囲気だ。1160mあたりの地形図上は左岸が岩のガケになっているところが登り返しのポイント。といってもすっぽりと雪におおわれていて取り付きは良い。汗をかきながら登っていくと対岸の黒菱山がきれいに見える。
 容雅山山頂直下は稜線が細く急な登りとなってシール登高はつらい(写真)。稜線自体はそれほど狭くないのだがブッシュがあって通れるところが狭い。スキーアイゼンをつけて挑んだが、一部やむをえずツボ足。スキーツアーの技術体系というのはありがたいもので、道具の選び方や身のこなし、コースの選び方まで先人の経験の蓄積のおかげで、こうして能率の良い移動が可能になる。などとブツブツ考えながら登りついた山頂はなんとも穏やかな丸いドーム。
 またまた冷たいビールのお裾分けに感激しながら、火打を振り返ったり、前に辿った大毛無山からのルートを眺めたり。ここからの北東斜面が最高の雪質だった。自分が蹴散らしたピンポン玉大の雪片が乱れ飛ぶ中を、それらと競うようにカービングターンを刻んでいく至福。澄川が割れていて徒渉があったりしたが、林道クロカンレースを経てクルマのデポ地点にすんなり到着。出発点まで乗せてもらう車中から妙高・火打の連山を眺めて、あらためてこのコースの長さを思った。築田さんとお仲間の皆様、お世話になりました。

Camera: Canon PowerShot S90