2011年12月30日金曜日

栃木と宇都宮

 年末年始を過ごす裏磐梯へ向かう途中でどこかで観光をしようと、今まであまりなじみのない栃木県に途中下車してみた。県名と県庁所在都市名が違う県はちょくちょくあるが、県名と同じ名前の市が古くからあるのに、違う名前の市が県庁所在地になっているのはそう多くないのでは?栃木県と栃木市、宇都宮市はこの例だ。栃木市に県庁がない経緯はこの看板に(恨みたっぷりに)説明されている。ここで恨まれているように、二つの街の現状はかなり開きができているが、おかげで、栃木には巴波川(うずまがわ)の水運の集散地らしい運河と蔵の町並みが保存されている。この背景の建物は旧県庁(現在も栃木市役所別館として使われている)だが、緑色の木組みが美しい。



 市内中心街にも、蔵見世と呼ばれるしっかりした蔵造りの商店が軒を並べている。大きく重そうな屋根が目立つ。他に栃木高校の記念図書館や、栃木病院などを回って見たが、市役所別館と同様に木組みが美しい。また、いずれも現役で使われているところが面白い。
 老舗の和菓子屋「山本總本店」に飾られていたお正月らしい「めでたい箱」がきれいだ。道ばたで売っていたしめ縄にも鯛の飾りがあしらわれていた。鯛好きなお土地柄か。名物礦泉煎餅をお土産に購入。晴れているが寒いので早々に宇都宮に移動。
 栃木に比べると宇都宮は「ふつうの」都会っぽく見えるが、メインストリートに面してこのように立派な二荒山(ふたあらさん)神社があるのが目を引く。日光の入り口としての歴史を示している。ギョーザの街としても有名だが、岡崎と同じくジャズの街でもあるそうだ。(2012.2に後記)

2011年12月17日土曜日

ツァイス:レンズと本

 1994年発売のContaxG1というレンズ交換式AFカメラ用のレンズが、Carl Zeissの伝統的な構成を守りつつ、最新の技術でリファインされた高性能レンズとして評価が高かったのだが、残念なことに他のボディでは全く使えなかった。なにしろAF専用なのでピントリングすらないのだ。しかし、ミラーレス機のアダプターブームのおかげで工夫が重ねられ、最近非常に使い勝手のいいアダプターが発売されたので、とうとう我慢が出来なくなって、Metabones社のアダプターとPlanar 45mm F2およびBiogon 28mm F2.8を入手した(写真はPlanar)。
これらのレンズについては、上の写真でカメラの下敷きになっている本などでさんざん読んでいたが、聞きしに勝る高性能ぶりだ。ついでにこの本を読み返したところ、すぐ前に出版された「ツァイス 激動の100年」という本がその中で紹介されており、ついでにこっちも読んでみてツァイスという会社の面白さに感銘を受けた。顕微鏡製作では定評を得つつあったマイスター、カール・ツァイスと、20代の無給講師エルンスト・アッベの出会いのくだりや、後に経営の中心となったアッベ先生が自らの利益を求めず、どんどん莫大な額になっていく報酬を得ながらも、それを自分や家族のために使うのではなく、財団という形を作り上げて(その定款なども自分で工夫して、それを業績としてイエナ大学法学部から名誉博士号をもらったりも)、そこに寄付し、企業の発展や従業員の福祉、科学者の育成に使うようにしたというあたり、ちょっと感激した。ドイツの敗戦に伴う占領、分割などの大波乱をどのように乗り越えたのかも興味深い話が多く、後半はやや冗長ながら面白く読めた。読後には、レンズに刻まれた「Carl Zeiss」という文字が少し輝きを増したように感じられた。

2011年9月1日木曜日

かもめレンズ

NEX+ハーフサイズレンズの流れで、しばらく前にeBayで買ってそのままにしていたロシア製ハーフカメラ「Chaika II」のレンズをNEXで使ってみた。別に交換レンズが売られたわけではないのに、レンズがネジマウントになっていてとりはずすことができ、そのネジはL-マウントライカと同じ規格なので、ライカにこのレンズをつけることはできるが、フランジバックの規格が違うのでうまく焦点があわない、という謎なカメラだ。ウクライナから届いたときに、L-マウント-NEXアダプタを使ってNEXでちょっと試した限りでは、ほんの数十センチ以内にしか焦点があわず、しかもボヤボヤした像だったので、がっかりして放っておいたのだ。きっちりレンズの前後面を清掃し、焦点を調整したら、ちゃんと無限遠からフォーカスがあうようになった(方法)。さらに近距離側を0.8mで制限しているネジをはずすと、0.45mまでフォーカスできるようになって言うことなし。チープなレンズだけに構造もシンプルで分かりやすい。清掃が効いて像もまずまずシャープ。距離目盛りのところどころがアイコンになっているのがかわいい。このレンズもPenFと同様にハーフ用なので無駄のない感じがたいへんよろしい。これまでに発表されたNEXの純正レンズは、レンズマウント部分と同じ直径で、長さだけが変化するというデザインに統一されているようだが、どうも無駄に大きい感がしてならない。こういうコンパクトな美学もありだと思うのだが。



2011年8月30日火曜日

瑞光レンズ

 一年前に買ったNEX-5で、いろいろマウントアダプタ遊びをしてきたが、受光素子がAPS-Cサイズなため、35mm版一眼レフカメラ用のレンズを使うと、フィルム撮影時に比べて中央の一部しか使っていないので「もったいない」感が伴う。というか、レンズが「無駄に大きい」感かな。それに対してハーフサイズカメラのレンズだと、フィルム面サイズがAPS-Cとほぼ同じなので、レンズのイメージサークルをフルに活かした撮影ができる。レンズも小振りだし、ハーフサイズで適当な画角になるように焦点距離も短めなのでまさにNEXにベストフィット。OlympusのPen-Fというハーフサイズの一眼レフカメラの交換レンズの中で、「G. Zuiko Auto-W 25mm f2.8」というのが写真のレンズだ。NEXでは37mm相当の画角となって、使いやすい。一眼レフ用レンズなので最短撮影距離25cmなのも便利(レンジファインダーカメラ用レンズだとふつう80cmぐらいまでしか寄れない)。ウィーンから通販で買った逆輸入品で、鏡胴には「PASSED」と書いた古い金色のシールが貼ってある。これは新品の輸出時に日本の検査組織が貼ったものだ。外国で大事にされていたことがわかる。「Zuiko」は漢字で書くと「瑞光」で、高千穂光学(オリンパスの旧称)らしい神がかったネーミングもいい。最近、NEXシリーズの新製品がボディー、レンズともたくさん発表されて勢いづいているが、micro-4/3陣営との差別化のためか、こういう小振りなレンズという路線には進まないようなのがちょっと残念だ。

2011年8月26日金曜日

リンプン

 チョウやガのハネの表面は鱗粉(りんぷん)という「粉」で覆われていて、つまむと指先にべっとりと着いたりあたりに飛び散ったりして、これのせいでチョウやガがきらいという人も多いでしょう。写真はその鱗粉の一枚を拡大したところ。走査型電子顕微鏡という機械を使って撮影したものです(倍率は1190倍、右下の点線の全長(1の上からuの上まで)が25.2μm、つまり約40分の1ミリ)。モンシロチョウのハネの表面を粘着テープでチョンチョンとなぜて、あらかたの鱗粉を取り除いて一枚だけ残ったところです(別に狙ってしたわけではありません、偶然の産物です)。この鱗粉は元々一個の細胞が平たくなったもの。左下に鱗粉が刺さっている「ソケット」と呼ばれる構造も見えますが、これも一個の細胞が変形したもの。鱗粉の表面はこのように非常に細かい凹凸になっているので、光を反射しないとか、水をはじくといった性質を持っています。

2011年8月16日火曜日

夏の乗鞍

 お盆休みの週末、有名どころの山小屋はさぞ混み合っていることだろうと、絶対空いていると思われる「バスの通過する山小屋」位ヶ原山荘泊まりで夏の乗鞍岳を味わってみた。雪のある時のスキー山行では数知れず登っている乗鞍だが、夏に登山に来るのは初めて。初日は高速の渋滞で到着が遅くなり、冬には味わえない人であふれた乗鞍高原を味わってから(ルコパンはいっぱいだったので、ゆけむり館前の久保さんのシュタンベルグの出店でソーセージと石窯パンを味わった)、バスで位ヶ原山荘に上がった。肩の小屋入り口まで散策。自転車が行き来するバス道路を1度横切る以外は高山植物が意外に豊富な静かな山道だ。予想通り泊まり客は僕たちだけ。この季節の位ヶ原山荘は自転車の人たちのためのエイドステーションが本業みたいだ。2月からの営業が始まり、スキーツアーで何度もお世話になっておなじみの小屋になった。下界の猛暑で疲れ気味だったが、久々に布団を掛けてゆっくり寝た。
 翌朝は頼んでおいたおにぎりを食べて5時に歩き出す。位ヶ原への登りで振り返ると、槍・穂高が浮かび上がっている。いつみても美しいシルエット。足下はけっこう岩がゴロゴロしていて歩きにくい。朝露でかなりビショビショになる。肩の小屋入り口では、スキーの人たちが既にバスでやってきて準備をしている。山全体からすると、小さな雪渓だが、歩いて登って滑るには適当なサイズかもしれない。ポールをたてていろんな回転半径で滑るコースがあちこちに見える。肩の小屋まで来ると、いよいよメインストリート。小屋泊まりの人たちが既にご来光登山から帰ってきているのとすれ違いながら登る。
 山頂からは南アルプス方面がよく見える。先週登った塩見岳は見えているのだろうが、見慣れないのでよく分からない。御岳は半分雲に隠れていてやや迫力ないのが残念。帰ってからカシミールで検討したところ、南アルプスは白根三山、塩見、荒川、赤石、聖岳まで見えていたことがわかった。さらに面白かったのは、富士山が北岳と重なって見えていたこと。

 富士山最高点の剣が峰(左図では「富士山」と書いてある)と、日本第2の標高を持つ北岳がきっちり重なっているのが偶然とはいえ面白い。富士山の第2のピーク白山岳が北岳の左にのぞいている。
 山頂から更に南西方向の道を歩いてみる。千町が原に続く道だ。山頂の雑踏から一気に人気のない山道になる。大日岳とのコル周辺にはコマクサがたくさん咲いていた。道はゴロゴロした岩を飛んでペンキマークを探しながら続く。人通りが少ないので安定した岩を見極めるのがなかなか難しい。ハイマツが覆い被さったところも多々。ウェアに松ヤニがこびりつく。奥千町避難小屋までと思ったが、意外に時間をくったので畳石原(阿多野への分岐点)で引き返すことにする。広々として気持ちのいいところ。奥千町避難小屋も双眼鏡でよく見える。
 ゴロゴロ道は上る方が楽だ。ふたたび雑踏の山頂から、畳平から往復の人たちで混み合う道をかき分けながら肩の小屋まで降りる。吹き抜けのある面白い構造。建て増し棟もあり快適そうな小屋だ。雪渓でのスキーヤーはずいぶんたくさん。自転車やスキーやハイキングなど、多くの人がてんでにいろんなことをして楽しんでいる様子がなかなか良い。位ヶ原山荘でうどんを食べてから、車を停めた三本滝バス停まで最後の仕上げに歩いて降りたが、なかなかつらかった。山頂からは1200mあまりの標高差。滝を見てからバス停までのちょっとした登りがこたえた。

2011年8月11日木曜日

三伏峠・塩見岳

 三伏峠小屋に2泊して塩見岳に登った。連日、早朝は良い天気だが8時頃には雲が多くなり、午後には雷や雨というパターンが続いたが、昼過ぎには小屋入りもしくは下山というスピード行動のおかげで快適な山歩きができた。
 鳥倉林道から三伏峠へは、南アルプスとしては良いアプローチ。夏は登山口まで一日2便のバスが走っており、自家用車ではゲートにはばまれて走れない最後の数キロも運んでくれるので、なかなか便利そう。林道はほとんどのところで普通車すれ違いができる程度の道幅があり路面もきれいだが、落石が多く注意を要する。三伏峠小屋は、ちょっとぶっきらぼうな第一印象だったが、だんだん味わいが出てきた。巧言令色の割に実がないという昨今のトレンドの逆。消灯は7時半で、厳密に運用されている。
 朝食は4時半から。前日は午後ずっと雨だったが、朝は雲も多いがまずまずの天候。富士山が見えて南アルプス気分が出る。本谷山からは北アルプス方面の展望が開ける(写真)。槍穂から白馬三山まで見えたのは予想外だった。中央アルプスもよく見える。本谷山からは湿った樹林の中のトラバースが続き、全然アルプスという感じはない。最後に急登を経て塩見小屋に出る。ここまでは辛うじて展望が効いていたが、わき出した雲につかまってしまう。

 塩見小屋は狭いので有名だが、若い小屋番さんが熱心に世話している印象。仮設の別棟もあった。地質的には、小屋の少し上から山頂にかけて緑色岩地帯だそうで、急にもりあがった塩見岳の形は、この硬い岩盤によっているのだなと納得。天狗岩をまきながらかなり傾斜のきつい岩の崖をよじのぼると、最後は高山植物の点在する土の斜面をへて西峰に登り着く。すぐその先が東峰(写真は東峰から振り返った西峰)。熊の平を経て間ノ岳に続く稜線や、蝙蝠岳方面は雲の晴れ間に望まれたが、富士山は見えず。塩見小屋で珈琲を飲んでから帰路につく。本谷山への道は遠かった。12時に小屋に帰りついてのんびりしていると、雷が鳴り出し近くにも落雷したようだった。夕方には驟雨。三伏峠小屋は結構広く別棟もあるので、土曜の夜だがゆったり寝られてありがたかった。北アルプスとはやはり人の数が違う。

 翌朝はまた展望の効く天気となり、朝焼け雲のかかる塩見岳を見ながら、小河内岳までの往復に出発。お花畑を抜けて稜線に出ると、伊那谷側の浸食の激しさに驚かされる。写真は烏帽子岳付近から振り返ったところだが、ガケの右の樹林の中に見えるのが三伏峠小屋。烏帽子岳から小河内岳に続く稜線は、昨日の樹林に沈潜するような道とガラッと変わってアルプスの雰囲気になる。塩見岳往復だけで帰ってしまうのはもったいない。

 近くに塩見岳、遠くに富士山を眺めながら稜線の道を辿り、小河内岳に着く。ここの避難小屋は素晴らしい場所にある。南に荒川岳、赤石岳を望み、正面は富士山。このあたりの稜線の避難小屋は、夏の間は管理人がいて、寝袋を貸してくれたり、簡単な食事も出るそうなので、軽い荷物での縦走もできそうだ。静岡側からは登山口まで時間がかかるし、標高差も2000m級なので、どうも縁遠い感じだったが、このあたりなら2,3泊でいろいろ工夫できそうだ。「南アルプスで一番人の少ない稜線」とのこと。
 三伏峠から往路を鳥倉に戻る。樹林の道はどこをとってもコケがきれいだった。アプローチが近いといっても標高差600mぐらいあるので、疲れた足には結構遠く感じた。登山口に地質の説明板がある。プレートの動きにともなう、「はぎ取り付加」という概念は知らなかったので面白かった。右下図では伊豆半島とその付け根の一帯が他より新しい付加体になっているが、この部分の自然放射線量の低さはこのあたりに関係があるのだろう。水場の位置が断層破砕帯というのもなるほど。先日行った山陰では「山陰海岸ジオパーク」と称してあちこちの博物館で地学的な説明が詳しくされていたが、地学も昔高校で習ったころと、概念が全く変わっているようなので、一度まとめて勉強すると面白そうだと思った。

2011年2月28日月曜日

入笠山(とtarga ascent)

 今季初めて行くようになった富士見パノラマ(通称ふじぱら)だが、今まであまり良い天気に出くわしたことがなかった。今回は「これぞふじぱら」と言わんばかりの好天に恵まれたので、このチャンスを活かして有名な入笠山の大パノラマを味わおうと、しばしスキー場を後にした。ゴンドラ駅から板をかついで夏の遊歩道を少し登り、スキーをはいて樹林帯を下ると入笠湿原(今は雪の原)。ここでシールを貼ってしばらく林道を歩くと写真の「お花畑」(今は白い坂)に出る。ここは昔のスキー場と書いてあるページもあった。入笠湿原とお花畑をシカから保護するためにネットで囲ってあるのだが(地図)、これがスキーで歩いていると時々邪魔になる。
 上の坂を登って樹林帯(一部急斜面)をジグザグ登ると入笠山山頂。見事な展望だ。左は諏訪湖越しに、後立山連峰。左端に剱岳も見える。ただこの剱岳、双眼鏡で見ると双耳峰に見えて、変だなぁと思ったが、帰ってカシミールでチェックすると、針ノ木岳と重なって見えているのだった。面白い。当然、その左には槍穂、乗鞍、御岳が控えている。
 反対側には北八ツから南八ツの大パノラマ。手前の左の山の建物がゴンドラの山頂駅だ。ここまでは1時間半ほどの行程。山頂は結構賑わっている。ほとんどがスノーシューの人たちでスキーは他にいたかな?「ここでスキーするんですか」と不思議がられたぐらい。確かに樹林あり、時に急斜面ありで、特にこの日はバリバリの悪雪で、スキーに向いたところとは言い難かったが、入笠山に行く人とゲレンデで遊んでいる人が、全く別々という現状も変と言えば変。あと多かったのが犬を連れた人たち。犬を乗せられるゴンドラがそう多くないのかな。防寒スーツを着せた大型の犬たちに雪原を走らせていた。
 今回は、初めてツアーモード付きビンディングのG3 targa ascentを使ってみた。ちょっと重いのがつらいが、ツアーモードでのシール登高は、TLTでの登りに近い感じで足を動かせる。本来カカトが自由に上がるはずのテレマークビンディングに、より複雑な機構を導入することに心理的抵抗があって使わずに来たが、TLTで味わったもっと自由な足の動きと、テレマークでの滑りを両立させるにはやむを得ないかというところ。geckoのシールという、糊を使わずにシリコン樹脂の粘着力で貼り付けるという新製品もあわせて使ってみたが、今のところ効能書き通りに扱いやすい。汚れたらジャブジャブ洗えばいいそうだが、それでリカバーできなくなったら、今までのシールみたいに糊を塗り替えることは出来なさそうなので、そこが弱点なのかなと今の段階では予想している。でも最近は板ごとに形が違っているので、板に合わせてシールも新調することが多いので、それほど長く使えなくてもいいのかなとも。

2011年2月17日木曜日

白馬 off and on piste

 岩岳民宿ごお津をベースにツアーとゲレンデを楽しんだ。メンバーは5名。板の太さ長さ種類いろいろだが足前の揃ったいいパーティーだった。リーダーは真ん中の板をあやつるちんふる氏。白馬エリアのすみずみまで知っている練達の士。いつもタッグを組んでいるシェム氏が負傷のためヒマしているのが僕らには幸いした。自分にとってはTLTでのツアー3回目となり、今回はパウダーでの滑りを味わうことができた。深いパウダーの急斜面でも安心して突っ込めるのは良かったが、谷筋の微妙な起伏のある地形では、登り返しのないラインを探しながら滑るために開放感がないのはこれまでと同じ感想。

 栂池のリフトトップから林道を歩き出す。早稲田小屋を過ぎた写真の地点から右の斜面を登って稜線に出る。ここから尾根の反対側に滑り込むのは、前回のコース取りだが、今日はdeep and steepを求めて、稜線を登り続けて天狗原の一角に登り着いたところから滑ることにする。結果は大正解で、湿り気が昇華したのか昨日ちんふる氏が試したときよりさらにドライになっているとのこと。登りながら感じたのだが、TLT+ジャバラだとちょっとした登りはクライミングサポートを使わなくても登れる。靴底が曲がるために、カカトまで板につけなくても、あしうらの前半分に荷重することで登れるのだ。テレマークの道具でも、少なくともT2やT3といった柔らかい靴の場合は、同じように登れるので、これまでクライミングサポートをあまり使わないで来たのだが、TLT+ジャバラでも似たような登り方ができるのはうれしい発見だった。同じTLTでも靴底の硬いブーツではこうは行かないのだろう。
 谷底までパウダーを楽しんでから、シールをつけて登り返し、白馬乗鞍スキー場の上の稜線をたどる。意外に晴れ間ものぞいてきた。ここからスキー場に向けて谷筋を急降下するのだが、さきほどとは違ってかなり重めの「パウダー」。斜面の向きで微妙に雪質が変わる。会心の滑り一本アリ。朝、回送しておいた車で宿に戻り、夕食までのひとときを「せんじゅラッピー&アップルランド」で過ごした(メンバーの3/5は風呂&ビールだったようだが)。ラッピーが輸入代理店になっているSKILOGIKの板が面白そうだ。種類とデザインが一定の組み合わせになっていないのは手作りの良さか。ラッピーに入るまではうらうらと日の照る天気だったが、出てくると猛吹雪になっていて驚いた。夕方から冬型とは聞いていたがものすごくデジタルな切り替わり。
 翌日は、白馬コルチナでいわゆる「サイドカントリー」の予定だったが、残念ながら雪が降りすぎて上のリフトが動かなかったため、ゲレンデ脇の非圧雪部分を拾って楽しんだ。やっぱり滑ることに関してはヒールフリーが楽しい。一般のリゾートスキーヤーが普通の選択肢としてヒールフリーの道具を選び、そこから好みによってバックカントリースキーやクロスカントリースキーに進んでいく人もあり、カカト固定道具を使ってレースやモーグル、フリースタイルのように極限に挑む人もあり、ゲレンデでリフトを使ってヒールフリースキーを楽しみ続ける人もあり、というような流れができないものだろうかといつも思う。ヒールフリーの道具は、テレマークターンだけのための特殊な道具ではなく、これが歴史的に見てもスキーの基本形なのだから。
同行のitokisyaのブログYouTube
(2nd and 4th photos by K.Hoshi)

2011年2月9日水曜日

TLTで滝沢尾根

 TLT体験の2回目は妙高アカカンゲレンデトップから前山に登って滝沢尾根を降りるコース。前日から晴れているので登りのトラックは道路のように堅くしまっていて、急なところもあるが、クライミングサポート1段+スキーアイゼンで楽々。写真後方に見える「三角ハゲ」は傾斜が立っているので、引き抜き式キックターンを練習する。前半の開きだしは問題ないが、後半で回す板のトップが雪面にひっかかって困ったが、靴のカフにトップを乗せるようにするとうまくいくようになった(岳人2月号が参考書)。テレではどうだろうか。
 稜線に上がると、左手に滝沢尾根の上部が見える。写真のように見晴らしが良い。写真の更に右側、山頂との間の部分はやせ尾根なので状況によってはちょっとこわいところだ。DynafitのTLT5という最新式軽量靴を履いた人がいた。「道具は一式新品だけど、身体の方は83年使ってるよ」と笑いながら、無事登頂されていた。あやかりたいものだ。滝沢尾根上部は、右側(南側)はガリガリだったが、左側は快適なパウダー。
 写真は上の写真と同じあたりを上から見たところ。この辺をすぎて樹林に入ると、しだいに重い雪になっていった。樹林の中を滑る場合、テレでは前足を木の間に滑り込ませるようなイメージで僕は滑るのだが(歩くような動作)、アルペンではそうはいかないので、一瞬混乱した。少し手前から、木の間を通る軌跡を思い描いて、うまく板を向けてやるときれいにターンできるようになった。違う道具を使うとそれまで無意識にしていた動作について考えさせられて面白い。また、カカトが固定された道具では、逆にカカトが浮かないような身体の動きにしないといけないようだ。これはちょっと意外だった。斜度の変わり目など、急ブレーキがかかる状況では、テレではテレマーク姿勢でショックを吸収するという手があるが、アルペンではカカトが浮かないためにひどいと全身が飛んでしまう。テレはその場その場で対応できる(しなければならない)が、アルペンでは早め早めに計画的に滑らないといけないような感じ。雪が重くなってくるほどに、カカトを中心にして雪面をえぐるようなターンを心がけると、たいへん安定して滑ることができた。むしろ安定しすぎているほど。トータルでは体力的にテレよりだいぶ楽だなぁと感じた。細かいバランス調整が必要でない分、筋肉疲労が少ないのだろう。
山スキーの人の登りでの動きを見ていると、急斜面でのキックターンなどトリッキーな場面でギクシャクしてしまう人がしばしば見られるが、足の裏が曲がらないために後ろの足がつま先立ちになり、板のコントロールを難しくしているように見える。これに対して、F3ではジャバラのおかげで母指球をあまり板から離さない姿勢がとれるため、テレとほとんど感覚的に違いのない動作ができる。自分でも意外なぐらい違和感なくTLTを使い始めることができたのは、ジャバラ靴と組み合わせことが大きな要素になっているようだ。

2011年1月31日月曜日

TLT始めました(テレマーカーによるインプレッション)

 かつて、テレマークスキーは軽快なスキーと言われたこともあったが、今では板はどんどん幅広化し、靴は高く硬くなり続け、スキーの機動力を活かして長距離を駆け抜けるツアーに適した道具を探すのに苦労する始末である。特に、このところ愛用してきた靴のScarpa T3が廃版になったのは残念だった。T3という製品自体、サーモインナーの収まり具合がイマイチで、完成度の高い商品ではなかったが、これをブラッシュアップする道は選ばれず、ラインナップにはT2とT4の間に大きなギャップが出来てしまった。これに対して山スキーの世界では、山岳レースの流行に後押しされて軽量化の波が押し寄せている。この先、この流れが変わらないならば、山スキー道具、特にTLTビンディングを使ったセットを試してみるのも良かろうと、シーズン初めにオーダーしておいたブツが揃って、今回試用してみた。GWの剱岳でTLT組と同行して、その登高スピードに驚かされたせいもある(体力的にもフツーではない人たちなので、なまじ道具を近づけると、かえって体力差を際立たせる恐れもあるが)。
 靴はScarpa F3。テレマークでなじみのあるジャバラを備えて、足裏が自然に曲がる。より軽量のF1もあるが、前傾固定をしないで滑ることの多い自分の使い方にはこちらの方が良さそう。テレで言えば、T2とT3の間ぐらいの雰囲気(T2 ecoのシェルとの比較)。ビンディングは、最軽量のロングセラーモデルDynafit Speed。左右ペアで670gというのはすごい。軽い軽いと愛用しているテレマークのG3 Targa T/9でもペアで1020gあるのだ。板も軽いのを選んでMovementのRandom。ペアで2,200g。Movementはスイスの会社だが、以前愛用していたTUAスキー(MegaとかExcaliburとか)の流れを汲むというところに惹かれた。軽いのにコシ、キレあり(発泡酒か)。Speedを付けた板を持つと、何かを付け忘れているような軽さ。試用の場所は、おなじみの乗鞍ツアーコースを選んだ。色んな傾斜がミックスした切り開きコースがお試しには手頃だ。週末が冬型の強まる周期になったが、ゲレンデトップからツアーコースを登り出すと、ゲレンデより風もおだやかでまずまず。
 TLTは、靴をビンディングにセットするのに若干コツを必要とする。靴の先端の左右に金属製のくぼみがあり、これをビンディングの左右にある突起に合わせて踏み込むのだが、なかなか位置の見当が合わない。前過ぎたり後過ぎたり斜めだったり。登りの時は、カカトをヒールピースに合わせてからつま先を踏み込むという手もあるが、滑りの時はつま先から踏み込んだ方がスムーズなので、こっちに慣れておいた方が良さそうだ。つま先をセットして足を持ち上げると、、、軽い。板がついている気がしない。板の抵抗をほとんど感じずに足を動かせるのは快感だ。登りだして傾斜が強くなってきても、膝から下を大きく動かして板を振り出せる。たとえて言えば、自転車の軽いギアでクルクル回している感じか。キックターンは、引き抜き式がスムーズに行える。今回はさほど急傾斜はなかったが、傾斜が強まるほど、この利点は効いてきそうだ。
 位ヶ原への急登でスキーアイゼンを使ってみる(装着状態)。テレマークビンディングで使えるかも、ということで数年前に買ったDynafit純正スキーアイゼンが、そのときは結局使わないままだったが、今回よみがえって見事にフィット。長年設計を変えないDynafitは、さぼっていると言われることもあるようだが、こんなときにはありがたい。低い方のクライミングサポートを立てた状態でこの程度爪がでるが、雪が柔らかかったので効果のほどはまだ分からない。位ヶ原の一角にたどりつくと、おきまりの猛烈な北風が吹きつけて来て即決登高終了。滑るときはヒールピースを回して滑降ポジションにしてからガツンと踏み込んで固定する。靴にジャバラはあれども残念ながらテレマークターンはできない。今回はちょっと生コンっぽく固まりかけの雪だったが、特に問題なくアルペンターンで滑れた。というか、簡単に滑れすぎて雪の違いがわかりにくい。このあたりは雪質に左右されにくい山スキーの利点でもあるが、味わいがないなぁと思う。そのときどきの雪質に合わせて滑り方を工夫できる(させられる)のがテレマークのおもしろさだなと改めて認識した。
 翌日はふじぱらに移動してハードバーンでの滑りを試してみた。ふだんテレマークの道具を使っていても、パラレルでのカービングばかりしているので、ほとんど感覚の差はない。少し安心感多め。TLTでは靴底と板のあいだに隙間があり、ジャバラがあって靴底の柔らかいScarpaの靴では、踏み込んだときに靴底がたわんでフワフワした感じになる。山の柔らかい雪では気にならないが、ハードバーンでは特にこれが顕著だ。スキーアイゼンの取り付け部分を利用して、足の母指球部分の下にはめ込んで板と靴の隙間をなくすプレートが靴についてきたので試したところ良好。取り付け方に無駄のない感じが好感を持てる。
 とりあえずは無事に滑り出したTLTライフだが、登りの軽快感に比べて滑りの不自由さ(あくまでもテレに比べてだが)がちょっと残念。ツアーでの滑りの途中で、平坦だったりわずかな登り部分がある場合も、テレの方が楽そうだ。多分、ガンガン登って、ズンズン滑ってくるような長いツアーではTLTがいいんだろうな。平湯温泉からの四ツ岳とか。スキーを新鮮な目で見直す機会として楽しみたい。上天気さんにはTLTのお先達としていろいろアドバイスをいただいた。Many thanks.

(2014.3.19追記) 3年以上たっても良く読んでもらっているので、現時点での追補をしておきます。TLTの特許期間が終わって、同規格のビンディング(テックビンディングと総称)が多数でてきました。DynafitのものはRadicalシリーズとなって、ヒールピースを回さずにクライミングサポート状態にできるようになりましたが、設計の基本は変わってないようです。TLT純正のブーツはジャバラ付きのものはなくなりましたが、NTN(ロッテフェラの新テレマーク規格)用のブーツがジャバラがあってTLTにも使えるので、ここで紹介したF3のような使い方ができます。NTNブーツを使って、TLT互換ビンディングを出しているイタリアのATKが「Newmark」という仕組みを出しました。登りはTLT同様で、滑るときにつま先のTLT金具より少し後ろでコバを両脇から押さえつけて、テレマークができるようにしています(F3はサイドのコバがないので使えない)。一度試乗しましたが、ジャバラを曲げると足の甲が押さえつけられる感触があってやや気になるが、まずまずテレマーク的。F3でもNTNブーツでも使えるマイナーなシステムとしては、TTS (Telemark Tech System)というのもあります(リンク)。登りはTLT、下りはテレのケーブルビンディングの後半部分をかかとに引っかけてテンションを出す。ブンリンさんが試したそうですが、カカトの上がりがかなり重いそうで、Newmarkとは対照的なのかなと想像してます。(その後購入して試したところ、たいへん自然な、ケーブルビンディングに近い感覚で使えました。2021.6.8)これらはかなりキワモノっぽいので、素直にNTNを試してみようかという気もするのですが、NTNのクライミングモードが少し靴の動きに制限があったり、全体に機構として凝りすぎ感があり、重量も重いので、あまり軽快なツアーをメインターゲットとしていないようなので、NTNにも手を出しかねているというところです。先日久しぶりにここで紹介したTLTセットを使いましたが、滑りは不自由だがシステムとしてはスッキリしてるなぁという感を新たにしました。
セイフティーリリースという観点では、TLTやNTNはリリース機能があるけれど、従来の山スキービンディングほど完全なものではなく、TLTではむしろハードな滑りでの誤開放を気にする人もいる。NewmarkやTTSは75mmのテレと同様にリリースなしです。怪我の防止や雪崩での引き込まれ防止という点ではリリースもほんとはほしいところだが、さて、というところです。

2011年1月18日火曜日

諏訪・蓼科あたりのスキー場

 正月明けの連休は、かなり冬型が強まる予報なのと、行こうかなと思っていた白馬あたりは好みの宿がとれなさそうなので、一転して蓼科に宿をとってその周辺の行ったことのないスキー場を渡り歩いた。ほとんど人工雪のゲレンデばかりだが、青空の元で高速カービングという目論見は的中。次週に行ったふじぱらもあわせてインプレッション。
 まずは、車山スキー場。とにかく眺めが良い。リフトトップからちょっと歩いて上がるとレーダードームのある車山山頂。八ヶ岳、富士山、御岳、乗鞍、北アルプスと大パノラマ。山頂からの急斜面も楽しい。今回はビーナスコースがちょうどいい硬さで高度感を楽しみながらカービングできた。レストランが三ヶ所にあってそれほど混まないのがありがたい。施設の更新がよく行われているようで、おしゃれな感じが良い。4時間券が使いやすい。マスターズ、50歳以上。
 翌日は、まずしらかば2in1。広いスキー場ではないし標高差も大きくないが、レイアウトが良い。志賀の熊の湯そっくりの急斜面+緩斜面の地形だが、上部の急斜面部分が広い谷地形になっていて滑りやすい。下の緩斜面もむだに長くない。全体にファミリー・初心者と、上級者との分離がうまくいっていて、安心してスピードを出せる。シニア、55歳以上。


 午後は、2in1と共通リフト券になっている白樺高原国際に移動してみる。ここはスキーオンリーで、りっぱなファミリーゲレンデ。6人乗りゴンドラがかかっているが標高差270mというかわいいもの。リフトの乗り降りが心配な子供たちも安心して乗れる、というスタンスのゴンドラ。ゲレンデもあくまでもフラットな中斜面が主体で、2in1と組み合わせて丁度いい感じ。うまくできている。

 よくばって夕方にもう一つ、白樺湖ロイヤルヒルに行ってみる。車山と白樺湖の景色を楽しもうという観光気分。夕方だったのでリフトベース近くに駐車できたが、本来はビーナスラインから中腹に上がったところの駐車場を使うのが良いらしい。思ったより広いゲレンデで、高校のスキー旅行もいくつか来ていた。目論見どおり景色は上々。しかし夕方のゲレンデはどんどん寒く堅くなり、一回券3枚で満足。シニア、55歳以上。一回券を含む全ての券種にシニア料金が設定されているのは珍しい。
 青空が広がった翌日は、景色を楽しみにピラタスへ向かう。駐車場で既に-10℃、山頂は-14℃とのこと。サングラスでは涙ボロボロで滑れない。リフトは地面ぎりぎりの高さで、よほど雪がふらないところなんだなと納得。整備のゆきとどいたゲレンデだが、リフトで滑る下部エリア全体に傾斜がゆるいのが残念。ゲレンデベースを見下ろすテクニカルバーンが唯一の急斜面で、ここは楽しい。

 ロープウェイは100人乗りで、車内はほとんど電車のようだ。10分置きに出るのでそれほど待たされる感じはない。写真は山頂駅到着直前だが、何かドックのような感じ。北八ツを歩く登山者、ネイチャー系スキーなどいろんな人が乗っている。下りに乗る登山者も多い。標高差は480mなので焼額ぐらい。林間を滑り降りるコースはまずまずの広さと傾斜で楽しい。ロープウェイ山麓駅のレストランが空いていてよかった。シニア、55歳以上。
 今回の蓼科での宿は、ホテルハイジ。表の道から少し入った高台にある、やんごとない雰囲気のホテル。食事や環境からすると、結構バーゲンプライスだと思う。夏の避暑が本番らしく、冬はよく空いている。1−2月に冬休み期間がある。前回は6月に泊まったが、裏山のカッコウの声が高原らしくてよかった。近くのスキー場が結構滑れることがわかったので、また冬にも来たい。

 翌週も強い冬型の予報だったので、晴天率85%に期待して富士見パノラマへ行ってみる。ここのウリは、標高差750mのゴンドラ。これはなかなか滑りでがある。地形図で見てみると、八方が650m、焼額が450m、チャオが380mだから大きさがわかる。栂池は760mあるが横に長い。マイアのトップから斜度が緩むまでが標高差200mぐらいなので、それを4回つないだぐらいに、えんえんと中、急斜面が続く。修行のスキー場だ。今回は10回滑ったので総標高差7500m。すごい。さすがに昼前から吹雪となったが、晴れていれば八ヶ岳の眺めがよさそうだ。シニア、50歳以上。



2011年1月5日水曜日

天元台の年越し

 一昨年の森吉山に続いて東北での年越し。秋田県の北の端だった前回と比べると、天元台は山形県の南端なので、遠いとは言ってもだいぶまし。最寄りの会津若松ICまで岡崎ICから新潟経由で約580kmである。観光を兼ねて、行きと帰りに途中一泊ずつしながら、往復1400kmのドライブとなった。天候が荒れ模様なので、新潟古町を観光(しめ縄がずいぶん横長)したり、秋に行った会津若松に寄ったり(数日前のドカ雪が片付けられておらず市内渋滞にはまったが、雪の鶴ヶ城を望見できた)、米沢の居酒屋で一杯やったり(刺身がみな脂っこくてびっくり)して、麓の白布温泉にたどりついた。今回の宿は、民宿白布屋。正月料金で一泊二食¥7,500というお値打価格。「山小屋を思えば、いいよね」とか「泊まれる焼肉屋」などと表現される。ひとりで切り盛りされている75歳のご主人はタダモノではない。
 天元台スキー場は景色の良いところで、米沢の街やその向こうに朝日岳や月山が時折望まれた。しかし寒い。リフトがフードなしで、昔ながらのゆっくり動くペアリフトなので、ますます寒さが身に染みる。2日半にわたってゲレパフを楽しんだ。ゲレンデトップから中大巓に向けてツアーのようなものも少々。これだけ寒いと歩いている方があったまっていい。ゲレンデの休憩所にはこんな薪暖炉もあった(photo by K.Hoshi)。あまり暖かくないが、いい雰囲気。ロープウェイで上がった分を滑り降りる湯の平コースもレースっぽく楽しめた。帰り道は、いつもの妙高で一泊してぽん太郎で一献。妙高は降り過ぎなので、帰路菅平に寄り道してハードバーンを楽しんだ。大雪の予報の年末年始だったが、通ったところはドカ雪にはならず、時には青空ものぞくまずまずの天気となり、寒い寒い年越しスキーを楽しむことができた。itokisyaブログ。まっちゃんブログ