2015年7月21日火曜日

離島の離島、多良間島

宮古島にいったものの、結局ずっと荒れ模様の天候で、雨はそれほど降られなかったんですが、風が強くてあまり泳がずじまいでした。で、多良間島日帰り観光してきました。
飛行機からの多良間島。みごとに平べったい。
琉球エアーコミューターのデハビランド機、定員39名。初めて乗りました。座席がちょうどプロペラの真横で、窓のすぐ外でブンブン回りだすと、あまりいい気分ではなかった。軽い機体のせいか加速減速が急だなぁ。
出たとこ勝負なので、とにかく町までバスにのり、運転手さんにレンタカー屋まで行って、と頼んでおろされたところが豊見城商店という何でも屋さんの前。おばさんが、今日はハーリーで誰も居ないので、といいながらややたどたどしく対応してくれる。軽は返ってきたばかりなので掃除しないといけないけど、普通車はすぐ乗れるというのでそれに。書類にはポロボックスと書いてあったので、まさかVWポロはないよね、と思ったら、おばちゃんがブイブイ走らせてきたのがこのプロボックス。営業車じゃなくて、これがレンタカー。返却は空港に置いておく、ガソリンスタンドは今日は休みなので見繕いでお金を入れておいて、という離島ムード満点。
噂のハーリー。近くの海で子供達がラッコみたいにくるくる潜ったり泳いだりして遊んでいたのが元気そうでよかった。
ここまで来ると、かなり熱帯気分で、本土じゃ温室に入っているようなのが、その辺の森に生えている。
民俗学習館を訪ねてみました。受付のお姉さんは、「ウチのレンタカーですね。」豊見城さんでした。情緒ある生活道具たち。ブラヤッカンとパイトゥリ、いいです。
本番は9月20日過ぎの八月踊りだそうで、ビデオをちょっと見ましたが面白そうでした。 多良間の言葉は発音が独特だそうで、地図の地名にも「リ゜」とか「ィ゜」とかの字が使ってあって、聞いてみたかった。沖縄県の黒糖生産の40%は多良間島だそうです。これで宮古諸島は全部行きました。

2015年7月9日木曜日

コケの世界

先日、栂池自然園に行く途中で寄った「せんじゅ」で、『この間、自然園の近くで観察会をやったときに、こんなのを見たんですけど花でしょうか?』と聞かれてよくわからず、場所を聞いて行って(ゴンドラとロープウェイの間を横に入った自然観察道)見つけて撮ったのが左。薄っぺらい感じが普通の植物ではないなと思ったらやはりコケ(チョウチンゴケの仲間らしい)だった。花のように見えるのは「雄花盤(ゆうかばん)」と呼ばれ、雄株の先端にあって、黒いところが精子を作っているところ。コケの中でもこの種のように蘚類(せんるい)と呼ばれるものは、茎葉体(けいようたい)といって茎と葉のような形態を示すが、葉はふつうの植物と違って細胞が1層だけなので、このように透明感がある。

これは翌日に蓮華温泉の近くで撮ったものだが、よく見ると何ヶ所かに「雄花盤」が見える(真ん中は黒くないが)。精子が雨水を伝って雌株に行って受精すると、そこから細い柄が伸びて先端に胞子嚢(コケでは朔(さく)という)ができる(写真左)。柄や朔の形が種に独特で見分けるポイントになる。雄株、雌株は1倍体(n)で、柄と朔は2倍体(2n)、減数分裂してできる胞子は1倍体で、発芽すると原糸体を経て雄株、雌株となる。これも上のと近い種らしい。
職場の駐車場からの道端の木についていたのが左のサヤゴケ。大雨の直後なので朔の中にも水が入っているように見える。ほとんど胞子が飛び出した後らしく、底に少し緑色に見えるのが残った胞子か。
乾いてから撮るとこのように反り返って口を大きく開いていた。朔の先端のオレンジ色のところは朔歯(さくし)と呼ばれるギザギザの突起の列になっていて、朔歯の形態も観察のポイント。
横からダンゴムシがのそのそやって来た。これぐらいの小さなスケールの世界。
買った本:ときめくコケ図鑑:「ことりっぷ」調の可愛い本ですが、しっかり書いてあるし、写真はキノコで有名な伊沢正名さん撮影できれい。学名にふりがながついているのは良い。